松江/山陰バリアフリーツアーセンター
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金木犀(キンモクセイ)の甘い香りで、秋を感じる人多いのではないでしょうか?

2025年10月14日 13:08   松江/山陰バリアフリーツアーセンター
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盲導犬アリア@矢野です。


金木犀(キンモクセイ)の芳香は秋の知らせですね。
小さなオレンジ色の花をたくさん咲かせる金木犀(キンモクセイ)は、
日本の秋を象徴するきれいな花木です。
花を見ずとも漂う香りで気付くほどの豊かな芳香が特徴で、
梔子(クチナシ)、沈丁花(ジンチョウゲ)とともに
「三香木(さんこうぼく)」と呼ばれています。

ところが、金木犀の香りを嗅ぐとトイレを連想する人もいます。

その訳は、トイレの臭い隠しに金木犀の香りを活用していた時代が長く、
昭和世代には「金木犀はトイレの香り」という記憶が残っているからです。

金木犀とトイレの関係は、金木犀の強く持続する香りは、
トイレの臭いを隠すのに大変適していました。
とりわけ、「汲み取り式」トイレ(便器の下に設置された便槽に排泄物を溜めて定期的に
汲み取る仕組みのトイレ)が主流だった頃は、ひどい悪臭でした。
江戸時代には金木犀の花を吊るしていたので、「雪隠(せっちん=便所)に吊るす花」、
明治~昭和初期にかけては「便所花」と俗に呼ばれるほど定着していました。

昭和初期にはトイレの防臭・消臭剤が登場しましたが、当初は機能性が求められていたので
ツーンとする化学臭が強いタイプ。
昭和50年代に香りも楽しめるタイプの芳香剤が普及すると、
金木犀の香りがスタンダードとなり、「金木犀=トイレの香り」という印象が定着。
また街路樹や公園の植栽として人気があった金木犀は、
公衆トイレの近くに植えられることも多かったため、「トイレの香り」という
イメージがさらに強化されました。

それが平成になると、トイレの消臭技術が発達したことや、
トイレの芳香剤の種類が多様化したことにより、次第に「金木犀はトイレの香り」
というイメージは薄れていきました。
しかし、人間の嗅覚は記憶と強く結びついており、
とくに子どもの頃に嗅いだ香りが記憶の中に残る傾向があります。
昭和世代には、金木犀の香りをトイレで経験した人が多いため、
「金木犀=トイレの香り」というイメージが根付いているのでしょう。

また、金木犀の香りはリラックス効果が高く、不安感やイライラを鎮めてくれるそうです。
最近では香水やアロマとして人気があり、昭和世代の間でも
「金木犀=トイレの香り」というイメージは薄れつつあります。

「金木犀」という名前の由来は、樹皮が動物のサイ(犀)の皮に似ていて、
金色っぽいオレンジ系の花を咲かせるからだといわれています。
同じモクセイ科の仲間には、白い花をつける「銀木犀(ギンモクセイ)」や、
薄い黄色の花をつける「薄黄木犀(ウスギモクセイ)」もあります。

今年はまだ私の近所では、匂がしないようですが、楽しみにしています。