一言コメント:
呉バリアフリーツアーセンターは、広島県呉市の「NPO法人呉サポートセンターくれシェンド」のスタッフが自主運営しているツアーセンターです。呉市内の観光バリアフリー情報の発信や、相談業務などを行っています。
法人事務の傍らで運営している小さなツアーセンターですが、たくさんの方に呉に来ていただくことができるように頑張っていきたいです。
意見交換会の2回目です。広駅での介助実習に引き続き意見交換会が行われました。
今回は主としてJRの職員さんより頂いた質問にお答えする形となりました。
まず、介助実習を受けて「車椅子の介助方法」についての質問がありました。
例えば、階段昇降やスロープ介助の際、車椅子は前向きが良いのか、
後ろ向きが良いのか?
車椅子の参加者からの答えは、「介助を受ける人に確認してほしい」
というものです。これは、「車椅子利用者」とひとくちにいっても、
車椅子の形状や体の状態、必要なサポートの形は様々だからです。
また、介助する人にも、できること、できないことがあります。
ですからお互いにコミュニケーションを図ることが非常に大事です。
あるいは、場面や人によっては介助が必要ないこともあるので、
お手伝いがいるかどうかを含めて訊いてほしいという指摘もありました。
また、そもそも利用にあたって多くの介助を必要とする(利用しにくい環境)
など、ハードルが高いと申し訳ない気持ちになり、
利用から遠のいてしまう、という意見も聞かれました。
そのほか、JRを含めて様々な業種でセルフレジの導入をはじめとした省人化が
進んでいることについての質問については、
セルフサービス、無人サービスの利用に必要な機器の操作ができない、
セルフで対応できない事を理由にサービス利用から排除される人が出ない工夫が
必要です。セルフ・無人等、人の手を介さないのであれば、
原則として誰もが他者の手を借りなくても利用でき、
必要な時にはスムーズにサポートを受けられることが望ましいと思います。
さらに、多目的トイレの設置がない駅で、できるお手伝いはありますか?
との職員さんからの質問にたいしては、
お手洗いのやり方や、必要なサポートは人それぞれで、デリケートな部分なので
職員さんにお願いできること、というのはなかなか難しいですね、というのが
私を含め車椅子の参加者の思いでした。
あるいは、直接的なお手伝いをいただくより、安心して利用できるトイレを
整備していただく方が効果的であるとお答えしました。
なお、これから整備をするものについては、
お手洗いは全ての人にとって欠かせないものなので、
「多目的」か「それ以外」かを問わず、快適で安心して利用できるトイレは
どんなものか?という考え方に立って整備ができたらよいと思います、
と申し上げました。
様々な意見を申し上げてはいますが、近年の鉄道は関係者のご尽力もあり、
お手伝いを必要とされる方でも、快適に利用できる環境が整えられています。
折しも、気候の良い秋の観光シーズンです。
お出かけの方は、列車旅いかがですか?
意見交換の機会を設けていただきました皆様にも感謝申し上げます。
おはようございます。瀬戸口です。この間まで暑かったと思ったら、
通勤電車の窓越しに見る木の葉っぱが赤くなりはじめていました。
さて、今年もJRさんと地元の車椅子の方の団体「呉市車椅子九嶺クラブ」さんより
お声がけを頂き、「意見交換会」に参加させていただきました。
車椅子の参加は私を含め3台(うち電動1台)、JR職員さんは16名。
これまで、呉・広両駅の職員さんを中心とした取り組みだった
「意見交換会」ですが、今年は広島駅や中国地区を担当する統括本部の職員さんにも
ご参加いただいたそうです。取り組みは会社内でも共有されており、
近隣エリアの職員さんもご覧くださっているそうです。
意見交換会に先だって呉駅での携帯スロープを使った乗降介助実習、電車で広駅へ
移動後に広駅ホームでの階段昇降実習が行われました。乗降介助はどなたも研修、
実践を積まれているのでしょう。非常にスムーズです。
電車に乗車中、停車駅の多い普通電車では、短距離のうちに加減速を繰り返すので
「意外と揺れる」という感想も聞かれました。
広駅での階段昇降実習では、JR職員さんが車椅子に乗って、階段の昇り降りを
体験していただきました。立っているときよりも低くなった目線や、
階段昇降時の車椅子の揺れや角度は実際に乗ってみることでよくわかります。
また、車椅子の階段昇降には4人の職員さんが必要ですが、
エレベーターがあれば、介助が必要な場合でも、
最少1人の職員さんで介助ができます。
バリアフリー化を進めることで、駅を利用する人はもちろん、
駅で働く人にとってもメリットが大きいのです。
バリアフリーは、利用者はもちろん、働く人にとっても
やさしいことが大事だと思います。
おはようございます。瀬戸口です。10月に入り、ようやく秋ですね。
さて、10/14(土)に県立産業会館で開催された
『福祉用具フェア&セミナーinひろしま2023』を見てきました。
一般社団法人 日本福祉用具供給協会 中国支部 広島県ブロックの主催で、
福祉機器の製造、販売を手掛けるたくさんの会社が出展していました。
一般ユーザーも見学可能でありがたい限りです。
展示内容は、高齢者福祉を主なテーマとしていたようで、車椅子や浴槽、ベッドと
いった用具をはじめ、福祉施設の運営を支えるICTやロボットなど、様々なものが
出展されていました。
会場到着が遅くなったこともあり、今回、私は車椅子関係を
メインで見て回りました。
例えば、モルテンの車椅子。(写真1枚目)
グッドデザイン賞を受賞したスタイリッシュな車椅子Wheeliy(ウィーリィー)
展示されていたのは、Wheeliy Home Careという、自操可能ながら
介助もしてもらいやすいタイプのものでした。いや、これホントにオシャレです。
乗り心地を良くするために車体剛性にもこだわり、
小回りが利いて、スイスイ動くとメーカーの人も胸を張ります。
WheeliyシリーズにはHome Careの他、自操式のWheeliyと電動アシストが
付いたパワードライブもラインナップされています。
車椅子のデザインということでは、松永製作所、日進医療器さんの
出展ブースも見てきました。今回は松永のMPシリーズは
出展が無く、こちらも介助車仕様メインの展示でしたが、
介助車も負けていません。見せていただいた車両は、
介助メイン(自操兼用)ながら、介助オプションを取り外せば
軽快車に勝るとも劣らないと松永ブースのスタッフさん。(写真2枚目)
こちらも車体剛性を確保して振動に強く、スムーズな乗り味を追求しています。
背中のシートが高く、着座姿勢が安定します。精悍なブラックデザインも
よいですね。
シンプル、丈夫で使いやすい車椅子の日進さんブース、
「良かったらどうぞ」、頂いたカタログを開いてみると
AS,MS,ASRシリーズなどのアクティブ車もラインナップされています。
オプション設定ですが、モデルによってはスピナジーの軽量ホイールや
見る角度で色が変化する特殊塗装の「マジョーラ」の設定がある!!
(スポーツカーや特別限定車に設定されることの多い色です)
ここまでくると、車椅子選びも自動車選びに似てきます。
このほか、ピジョン タヒラの「ロックアシスタⅡ」シリーズには、
移乗介助の際の転倒、落車予防に役立つ、「自動ブレーキ機能」が
搭載されており、座席を離れると作動し、着座すると解除されるように
なっています。(写真3枚目)
青いシートクッションもオシャレです。
今回の展示会は、車椅子についていろいろ発見があったように思います。
メカニズムの違いはありながらも、自動ブレーキ機能を採用する
メーカーは多いようで、これからの標準機能になるのかもしれません。
車椅子を操作するハンドリムに幅広タイプを採用するモデルも
ありました。好みの問題や、少々慣れるまで時間は必要かもしれませんが、
漕ぎやすさや手指の巻き込み防止などのメリットがあります。
車椅子をデザインで選べるようになったのも良いことだと思います。
車椅子の素材、機能、デザインの進歩を思えば、特別な人が使う特別な道具から、
使う人の暮らしに寄り添う「生活用具」になってきているのかもしれません。