一言コメント:
呉バリアフリーツアーセンターは、広島県呉市の「NPO法人呉サポートセンターくれシェンド」のスタッフが自主運営しているツアーセンターです。呉市内の観光バリアフリー情報の発信や、相談業務などを行っています。
法人事務の傍らで運営している小さなツアーセンターですが、たくさんの方に呉に来ていただくことができるように頑張っていきたいです。
岡山ー出雲市間を走る、伯備線特急「やくも」に
24年4月から新型車両がデビューします。
https://www.jr-odekake.net/railroad/yakumo/
特急「やくも」は山陰観光のアクセスや山陰と山陽を結ぶ陰陽連絡をはじめ、
岡山で四国・関西方面へ連絡するなど多彩な顔を持つ列車です。
新しくデビューする車両は273系。
沿線風景に色を添えるブロンズ色のエクステリア。
カーブでも速度が落ちない新開発の「振り子」機構。
グループ向け「コンパートメント」座席の導入など、
注目ポイント満載な列車ですが、
何といっても外せないのはバリアフリーでしょう。
まず、現行車両の課題であった通路と座席の間の段差が解消されます。
さらに、特急車両のバリアフリー化新基準に対応して
車椅子に乗ったまま利用可能なスペースが普通車客室内に3箇所設けられ、
このほか多目的室があります。全座席にコンセントが装備されています。
車椅子スペースは景色を楽しめる窓側、座席隣接の通路側が選べるように
なります。なんだそんなことか、と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、
これまでは、車椅子スペースの数と場所が限られていたため、
座席を「選ぶ」ことができなかったんですね。
ですから「選べるようになる」というのは実に画期的なことなんです。
なお、併せて春のダイヤ改正(2024.3.16〜)では4月の新型車両投入を前に
「やくも」の全席指定化が発表されています。
このダイヤ改正では、東海道・山陽新幹線へのN700S(車椅子スペース6席)も
追加投入が予定されており、より一層利用しやすくなりそうです。
新しくなる「やくも」で是非山陰へおでかけください。
広島ー呉ー松山航路を運航する石崎汽船(本社:松山市)は、2/1、
同航路向け高速船の新造と2025年秋の運航開始予定を発表しました。
新たに建造される船は、現在運航中の高速船「スーパージェット」の
後継船となる予定で、推進器には国内初導入の技術「リニアジェット」が
用いられ、騒音・振動が少なく、省燃費で環境にやさしい船を
目指しているそうです。
石崎汽船プレスリリース:
http://www.ishizakikisen.co.jp/pdf/2024/20240201.pdf
石崎汽船が フェリーに引き続き高速船の新造を発表しました。
楽しみなニュースですね。新造船は排水量120トン、定員93名と
現行船(189トン、定員156名)より若干小ぶりのようです。
バリアフリー法の制定以後は、船舶にもバリアフリー化ガイドラインが
定められ、公共交通機関である定期航路の旅客船だけでなく、
観光船、遊覧船などの不定期航路を運航する船も対象になっています。
船舶は運用期間が長いこともあり、バリアフリー法以前に建造され
改装によってバリアフリー設備を持つようになった船も多数運航されていますが、
いよいよ設計段階からバリアフリー化を考慮されている船が
海路の主力を占める時代がやってきます。
船内設備など、詳しい情報は明らかにされていませんが
新造船もガイドラインに沿ったバリアフリー船となるでしょう。
ちなみに、現行のスーパージェットだってとっても快適です。
呉ー松山が約1時間、松山ー呉ー広島間が約1時間20分。
フェリーの半分の時間で移動できます。
多目的トイレ、車いす優先席完備。船体が大柄なので、
出入口や通路も広くシートも座り心地がよいです。
前回の記事でも述べましたが、この航路を大事にしましょう。
列車やバスはもちろん、船を含めて「どれか」ではなく「どれも」大事です。
2018年の大雨災害のとき、呉市では一時道路や鉄道が不通となりました。
通勤通学客の足を支え、生活物資を載せたトラックを運んできたのは船でした。
航路があれば、陸路と互いに補い合ってまちの暮らしを支えることができます。
航路がある、港がある。それはウォーターフロントに面した街の何よりの強みです。
あるいは、鉄道やバス、自動車や船といった様々な交通手段で
私達が他の地域に出かけられることのみならず、
他の地域から、この広島・呉地域にいらしていただくことができる、
それが、このまちの原動力になるのです。
新しい船が呉と他の地域の交流をどんどん盛んにしてくれるとよいな、と思います。