松江/山陰バリアフリーツアーセンター
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出雲の国のだいこくさまは医学に長けた神様だった?!

2018年07月17日 11:52   松江/山陰バリアフリーツアーセンター
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ハダル@矢野です。出雲国の大国主命は実は医学の神様だった?!という話題です。この事は皆さまもよくご存じの「因幡の白兎」からも伺えます。
こういう神話でした。
兄弟の神様たちは因幡の国に八上比売(やかみひめ)という美しい姫がいるという噂を聞き、みんなで会いに行こうと決められました。 だいこくさまは兄弟達の家来のように大きな袋を背負わされ、一番後からついていくことになりました。
兄弟たちが因幡の国の気多の岬を通りかかったとき、体の皮を剥かれて泣いている一匹のうさぎを見つけました。
兄弟たちはそのうさぎに意地悪をして、海水を浴びて風にあたるとよいと嘘をつきました。
そのうさぎはだまされていることも知らずに、言われるまま海に飛び込み、風当たりのよい丘の上で風に吹かれていました。
そうしていると海水が乾いて傷がもっとひどくヒリヒリ痛みだしました。
前よりも苦しくなって泣いているうさぎのところに、後からついてきただいこくさまが通りかかりました。
だいこくさまはそのうさぎを見てどうして泣いているのかわけを聞きました。
そのうさぎは言いました。
わたしは隠岐の島に住んでいたのですが、一度この国に渡ってみたいと 思って泳がないでわたる方法を考えていました。するとそこにワニ(サ メ)がきたので、わたしは彼らを利用しようと考えました。
わたしはワニに自分の仲間とどっちが多いかくらべっこしようと話をもちかけました。
ワニたちは私の言うとおりに背中を並べはじめて、私は数を数えるふりをしながら、向こうの岸まで渡っていきました。
しかし、もう少しというところで私はうまくだませたことが嬉しくなって、つい、だましたことをいってしまいワニを怒らせてしまいました。 そのしかえしに私はワニに皮を剥かれてしまったのです。
それから、私が痛くて泣いていると先ほどここを通られた神様たちが、私に海に浸かって風で乾かすとよいとおっしゃったのでそうしたら前よりもっと痛くなったのです。
だいこくさまはそれを聞いてそのうさぎに言いました。 かわいそうに、すぐに真水で体を洗い、それから蒲(がま)の花を摘んできて、その上に寝転ぶといい。
そういわれたうさぎは今度は川に浸かり、集めた蒲の花のうえに、静かに寝転びました。
そうするとうさぎのからだから毛が生えはじめ、すっかり元のしろうさぎに戻りました。

とりわけ出雲の人々にとって薬草は古くから身近な物だったそうなのです。733年の出雲国風土記には90種類を超える薬草が記載され、他地方の風土記の群を抜いています。
これだけではなく、日本固有の医方をまとめた808年の「大同類聚方(だいどうるいじゅうほう)」にも出雲伝承の薬方が多く載り、古代出雲が医薬の国だったことを裏付けています。取り分け出雲地方が薬草が多く生育しているとは思いませんが一見普通の草花や木の根っこなど何に効くのかの研究する学者が多かったのか。文化が渡来してきた朝鮮半島からなのかは解明されてはいません。
さて、3年前に出雲市在住の女性らが始めた「古代出雲薬草探求会」は、季節ごとの薬草をお茶にしたり、料理したりと風土記記載の薬草を現代の生活に取り入れる活動をしているらしいです。来年3月、探求会代表の女性が出雲市大社町に開くカフェの一角に、風土記に載る植物が一覧できる標本展示室がオー
プンするとの事です。
出雲大社に参拝の皆さまにはまた縁結びとは違うもう一つの興味も湧いてきたのではないかと思います。