松江/山陰バリアフリーツアーセンター
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黒田芹は古代出雲から人も食していた?!

2017年01月16日 10:52   松江/山陰バリアフリーツアーセンター
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ハウル@矢野です。
日本列島はスッポリと冷凍庫?の中に入ってしまいました。松江市では積雪が9cmとなり、松江城天守も屋根が白くなりまた風情があり綺麗な絵模様となっています。皆さまのお住まいの所はいかがでしょうか?
突然ですが、皆さまは7日の朝に七草がゆをいただかれましたでしょうか?
七草は日本生まれのハーブだという人もいるようで、それなりに薬膳料理の意味の方が現代人の私たちにはなじみよさそうです。
年末からお正月にかけての暴飲暴食で弱っている胃腸を労わるためだと思っていましたが、よくよく調べてみるとそれだけではなさそうです。七草にはひとつひとつに意味が含まれています。
今回は、その中でも最初に出て来る芹。松江市の冬の風物詩の黒田芹の紹介です。一番古い文献では「出雲風土記」には既に記載されていました。
この季節は、小寒を過ぎて、季節は七十二候の芹乃栄(せりすなわちさかう)です。セリの名は「競り合うように生えるから」付いたそうです。夏草なのですが、冬枯れの中で鮮やかな緑が料理を引き立て、冬の菜として珍重されています。
黒田セリは、松江の冬の食卓を支える鍋の名脇役も生産農家の激減で今や“幻”になろうとしています。
実はこのセリが育つ黒田町、この場所に広がる黒い肥沃な沼田が美味しいセリを育てるといわれ、湿地帯の田んぼの裏作として江戸時代から栽培されてきました。
真冬の水田で作業する様子はこの付近の冬の風物詩だったものの、かって町内のほとんどで栽培していた農家の数も現在は7軒まで減少してしまいました。
殆どスーパーなどの店頭には並んでいるところを見るのは難しくなっています。大阪、東京の市場にむけて出荷されて地元民の口にはあんまり入らないのが現状です。
それでも、おでんの種のひとつとして存在しています。また、鴨鍋に実に良くあいます。シャキシャキとした歯触りと独特の匂いがたまりません。あくまでも脇役に徹した食材なのです。松江にお越しのおりには、是非、ご賞味下さい。
ゲンを担ぐ私としては、最後に七草の名前に込められた意味を記しておきます。
芹(セリ) 競り勝つ
薺(ナズナ) 撫でて汚れを除く
御形(ゴギョウ) 仏体
繁縷(ハコベラ) 繁栄がはびこる
仏の座(ホトケノザ) 仏の安座
菘・鈴菜(スズナ) 神を呼ぶ鈴
蘿蔔・清白(スズシロ) 汚れのない清白
以上です。