一言コメント:
呉バリアフリーツアーセンターは、広島県呉市の「NPO法人呉サポートセンターくれシェンド」のスタッフが自主運営しているツアーセンターです。呉市内の観光バリアフリー情報の発信や、相談業務などを行っています。
法人事務の傍らで運営している小さなツアーセンターですが、たくさんの方に呉に来ていただくことができるように頑張っていきたいです。
あけましておめでとうございます。瀬戸口です。年末年始いかがお過ごしでしたか?
足元で再び増加の兆しを見せるコロナ感染症が気になりますが、明るい良い年に
したいものです。
今年最初の話題に何を取り上げようかといろいろ考えてみました。
一つ大注目は「情報アクセスのバリアフリー」を進めるための法律案が
今月開会予定の通常国会に議員立法で提出される意向、という報道です。
障害者の情報保障 新法の骨子案が判明ー福祉新聞
社会生活の様々な場面で情報を得たり、あるいは意思疎通を図ることを
人の権利として保障し、情報アクセスとコミュニケーションに関わる
バリアを除いていく環境整備をしようということです。
障害のある人々の場合、様々な理由から情報へのアクセスや
コミュニケーションに困難を抱えている方がいます。
文字の読み書きに困難を抱える方や音声の聞き取りに困難のある方
発声・発語に困難のある方などです。
例えば、役所からのお知らせや通知書などが手元に届いても
文書に書かれている内容が伝わらなければ、制度を利用する
機会を失ったり、その他社会生活上の不利益を受けることがあります。
あるいは、事件・事故・緊急事態の際に避難に関する情報を、
適切に得られなかった場合、命の危険につながります。
文書を出したから、放送を流したから、「やったこと」になるのではなく、
届ける相手に合わせたコミュニケーションが大事です。
ことバリアフリーに関しては、まだまだ温情めいた意見も聞かれますが
バリアフリーは、社会生活に必要不可欠なものです。
この法律案に関する情報が今ひとつ少ないところに、世の中の関心の低さを
思わずにはいられませんが、 活発な議論の上で、新しい時代が開かれることに
期待が持てますね。
こんにちは、瀬戸口です。今日の話題は、JR西広島駅の新駅舎の利用が開始された
というものです。JR西広島駅は広島市西部の代表的な駅です。
今回の改修によって、駅の南北を往来する自由通路が整備されるとともに
念願の、念願の、エレベーターが整備されました。
橋上の新しい西広島駅、誕生祝うー中国新聞 R3.12.18
整備前は、駅舎のある西向き広島駅からの到着・下車はスムーズにできるものの
東向き、広島駅へ向かうの列車に乗るためには、エレベーターがなかったので
車椅子利用だと駅員さんの誘導を受けて構内踏切を渡らなければなりませんでした。
そのため当駅近郊にお住まいの障害のある方々からも、改善を求める声が
早くからあがっていました。 ようやくだなぁ。(しみじみ)
よく行っていた頃、私は高校生でした。
今回の整備でお骨折りいただいた皆様ありがとうございます。
おはようございます。何と週末はクリスマス、早いですね。
そして、この時期といえばイルミネーションですよね。
と、いうことで今年も呉の中央公園で開催されている
イルミネーションロードくれ2021
(呉観光協会のWebが開きます)
に行ってきました!?というか寄ってきました(帰り道なので)
夜の澄んだ空気に、澄んだLEDの光もなかなか映えますね。
写真の腕がイマイチなのはご愛嬌。今年の開催期間は2022年1月2日まで
だそうです。
中央公園で季節のイルミネーションを見終わると、ちょうどよく
日本伝統のイルミネーション、もとい屋台の赤提灯も見えてきます。
冷えた体を温めるにはぴったりですからこちらもどうぞよろしく。
ではまた次回。
さて、「中間とりまとめから考える無人駅」の3回目です。
そろそろまとめましょう。
その1
その2
「無人駅」問題は、駅のスムーズな利用を妨げる「バリア」があるにも関わらず、
「無人」であるためサポートを得ることも困難で、利用を著しく制約される事が
問題となっているのです。
そこで国土交通省が、事業者や障害当事者との意見交換を通じて
「中間とりまとめ」を出しました。
●障害当事者への案内・情報提供のあり方
●駅の利用に関する事前連絡のあり方
●乗務員による乗降介助の実施
をポイントにして、障害の有無に関わらず無人駅でも、
安心して利用できる環境を整えようという事が書かれています。
ここまでの議論を概観して、これからの無人駅のあるべき姿は
長期的には障害のある人や高齢者、外国人を含めて利用客が
●できうる限り特別な援助を要さず利用が可能であること
●必要な援助については、過不足なくこれを求め、また得ることが可能であること
●設備上、または制度上の不備によってスタッフに負担を強いるものでないこと
●都市と地方で各々実情を踏まえつつも、サービス水準に著しい格差を生じないこと
が求められると思います。
そのうえで、無人駅の問題はバリアフリーだけの問題ではなく、
鉄道という社会の「システム」の問題でもありますから、
資金や人員など限られたリソースをどこにどれだけ配分するか?
設備導入に伴う費用負担、車両構造やダイヤ変更に伴う輸送密度や
収益性の変化などを踏まえた「地に足のついた」議論が必要です。
事業者・行政任せではなく、障害当事者もしっかり考えていく必要があります。
バリアフリーが大事だ、自由な移動は人間としての権利だ、ということも
言われるようにもなりました。ですがそろそろ、障害のある人や高齢者を含めて
「その先」の、「実現するために何が必要か?自分たちは何をどれだけやるか」
という議論をする時期にあるとおもいます。
おはようございます。瀬戸口です。12月ですねぇ。
さて今日の話題は、JR西日本が開発を進めていた可動式スロープの
試作機がこのほど完成し、ゆめ咲線 桜島駅(大阪市)での
現地検証が始まったというものです。
JR西日本 2021年11月 社長会見
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/211117_07_kaiken.pdf
ホームに埋め込まれた可動式スロープが列車の到着に合わせてせり上がり
乗降口の段差と隙間を埋める仕組みです。スロープにはセンサーが付いており、
はりだし量は列車の乗降口までの距離と高さに応じて調整されるそうです。
スロープの展開・収納も全自動、 稼働にかかる時間もわずか5秒足らず
「あらゆる段差・隙間の両方を全自動で可変的に埋める装置は鉄道事業者で初」と
JRも期待を寄せています。
鉄道が日本に来て約150年。例えば、駅が作られた時代によって
ホームの高さが違ったりします。
線路の上を走る車両も、扉の数が多く詰め込みの利く通勤車両から、
乗降口にデッキがついて扉の数が少ない特急車両などいろいろあります。
列車の床は列車の混み具合によっても上下動します。
車体は左右に傾くこともあります。
隙間を0mmとすると、列車とホームがぶつかり、運行に支障がでます。
列車とホームの間の段差や隙間を埋める。一見簡単そうにみえるかもしれません。
今ある設備を活かしつつ、列車を動かしながらバリアフリー化を図るのは
なかなかの難事業です。
では、ホームの隙間・段差対策として、どのようなものが理想的なのでしょうか?
●ホームと列車間にある隙間や段差が埋められること
●全ての旅客が安全・スムーズに乗降できること
● 必要な時だけ使えること(通過列車に干渉しない)
●車両や施設を損傷しないこと
●故障しにくく、メンテナンスが容易であること
● 地方・閑散線区でも導入・利用が可能であること
まだまだ課題が多くあります。普及にも時間がかかるでしょう。
技術者の方にバリアフリーに関心を持っていただくことはもちろん、
障害当事者の方にも、技術に対する関心を深めてもらって
ともに課題の解決にむけて取り組めるようになるとよいですね。