【話題】JR西日本 列車とホームの隙間埋める可動式スロープを実証実験。車椅子単独乗降へ期待。
おはようございます。瀬戸口です。12月ですねぇ。
さて今日の話題は、JR西日本が開発を進めていた可動式スロープの
試作機がこのほど完成し、ゆめ咲線 桜島駅(大阪市)での
現地検証が始まったというものです。
JR西日本 2021年11月 社長会見
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/211117_07_kaiken.pdf
ホームに埋め込まれた可動式スロープが列車の到着に合わせてせり上がり
乗降口の段差と隙間を埋める仕組みです。スロープにはセンサーが付いており、
はりだし量は列車の乗降口までの距離と高さに応じて調整されるそうです。
スロープの展開・収納も全自動、 稼働にかかる時間もわずか5秒足らず
「あらゆる段差・隙間の両方を全自動で可変的に埋める装置は鉄道事業者で初」と
JRも期待を寄せています。
鉄道が日本に来て約150年。例えば、駅が作られた時代によって
ホームの高さが違ったりします。
線路の上を走る車両も、扉の数が多く詰め込みの利く通勤車両から、
乗降口にデッキがついて扉の数が少ない特急車両などいろいろあります。
列車の床は列車の混み具合によっても上下動します。
車体は左右に傾くこともあります。
隙間を0mmとすると、列車とホームがぶつかり、運行に支障がでます。
列車とホームの間の段差や隙間を埋める。一見簡単そうにみえるかもしれません。
今ある設備を活かしつつ、列車を動かしながらバリアフリー化を図るのは
なかなかの難事業です。
では、ホームの隙間・段差対策として、どのようなものが理想的なのでしょうか?
●ホームと列車間にある隙間や段差が埋められること
●全ての旅客が安全・スムーズに乗降できること
● 必要な時だけ使えること(通過列車に干渉しない)
●車両や施設を損傷しないこと
●故障しにくく、メンテナンスが容易であること
● 地方・閑散線区でも導入・利用が可能であること
まだまだ課題が多くあります。普及にも時間がかかるでしょう。
技術者の方にバリアフリーに関心を持っていただくことはもちろん、
障害当事者の方にも、技術に対する関心を深めてもらって
ともに課題の解決にむけて取り組めるようになるとよいですね。