呉バリアフリーツアーセンター
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呉バリアフリーツアーセンターの活動状況や、呉市内の観光バリアフリー情報を掲載してきます。

おんぶ補助具「おんぶらっく」

2024年05月24日 09:18   呉バリアフリーツアーセンター
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こんにちは、瀬戸口です。以前、防災訓練に参加しましたという記事を
掲載した際、いろんな避難補助具が出ていますという話を書きました。
防災訓練では、車いすに人を乗せたまま階下へ降ろすのは困難で、
人を背負って降りるのも危険が伴う上に時間がかかっていました。

避難する人も、避難を支援する人も安全に避難できる補助具を探していたところ
なんと、私たちの地元呉市で、ハッピーおがわ さんという会社が作っていて、
デモ機も見られるということでさっそくお伺いして体験しました。

ハッピーおがわさんは今回ご紹介する避難補助具以外にも
介護服や床ずれ防止マット、車いす用クッション、
ゴムが痛くない靴下など様々な製品を取り扱っておられます。

さて、今回体験させていただいたのが、おんぶ補助具の
「おんぶらっく」という製品です。
おんぶらっくは丈夫な生地でできています。
背負われる人は椅子や台の上に広げたおんぶらっくの上に座ります。
布の中面にはおしりと太ももの位置が描かれ、座る位置がひと目でわかります。
背あて布があり姿勢が安定するので、しがみつく体力があまりない方でも
落下の心配がありません。

背負う人は、背負われる人の脚の間に入り、肩ひも、腰ひも(ストラップ)を
締めてゆっくり立ち上がります。
肩ひも、腰ひもにも装着の順番が書かれているので簡単に装着できます。
背負っている人を「おんぶらっく」が支えてくれるので
両手を自由に使えます。また、背中の人が自然と背負われる姿勢になるので
背負う方も無理がないように思います。

実際に体験してみて思うのは、「おんぶらっく」のような補助具がある、
使用できることによって、非常時に安全な避難ができる見通しが立つことは
避難時に支援を必要とする方、あるいは避難をお手伝いくださる方のいずれに
とっても大事なことです。また、訓練を重ねて、
取り扱いに慣れることは大事ですが、非常時に着脱が容易で
慌てなくてよいのはありがたいですね。

それから、今回は実際に装着してみることで、背負われた感じ、
背負った感じがわかったのは非常に良かったと思います。

詳しい使い方、購入については「おんぶらっく」商品紹介ページ
動画で案内されています。ハッピーおがわさんでは、「おんぶらっく」
デモ機の貸し出しをされておられます。購入をご検討の方は
ぜひデモ機をご利用ください。
(デモ機利用にあたり往復送料のご負担をお願いしているそうです。)

ハッピーおがわさんありがとうございました。


写真をクリックすると別ウィンドウで拡大写真を表示します。
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ユニバーサルミュージアム

2024年04月30日 16:30   呉バリアフリーツアーセンター
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こんにちは瀬戸口です。よい季節になりましたね。
ゴールデンウイークですね。お出かけの予定を立てている方も
多いのではないでしょうか?長いお休みを取って普段なかなか行けない遠方へ
行くのもよいですが、私が最近気になっているのは美術館や博物館です。

美術館や博物館は、公共施設としてある程度バリアフリーの目星がつき、
入館料の割引がある場所が多いという点で、障害のある方にも
アクセスがしやすいといえるでしょう。

加えて、最近では美術館・博物館を訪れるすべての人が楽しめるよう
展示内容や展示・観覧の方法を工夫する「ユニバーサルミュージアム」の動きが
少しずつ出てきています。

たとえば、企画展に関連するギャラリートークやセミナーに
手話通訳が付くようになったり、ワークショップも参加者募集の際に、
参加にあたって必要な配慮を尋ねることをはじめ、
展示や解説のケースを車いすでも見えやすいようレイアウトしたり、
収蔵品やそのレプリカに触れられる触察展示、
アプリや携帯端末を用いたVR(仮想現実)、AR(拡張現実)、
オンライン上の美術館・博物館など全国で様々な取り組みが行われています。

休みの日の過ごし方として、「一日休養、一日教養」ということが
言われたりします。もとは松下電器産業の創業者である松下幸之助さんが
週休二日制を導入するにあたり語ったものだそうです。
「よい仕事のためによい学びが重要」と理解する向きも多いようですが、
仕事に限らず、生活に彩りと広がりを持たせるにも「学び」は大事です。

こと障害のある人々に関して言えば、学校教育を終えると、
社会の中で「教養」に触れられる場はそれほど多いとは
言えないように思います。そうした意味で、地域の美術館・博物館が
ユニバーサルな場所になることで、そこに関わるひとりひとりが
そこで出会う人々に、知っている事やまだ知らないことに
自分の暮らす地域や、様々なことに関心を抱きつながっていける場所に
なるとよいな、と思います。



防火訓練に参加しました

2024年03月17日 10:28   呉バリアフリーツアーセンター
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こんにちは、瀬戸口です。先日、職場が入るビルの防火訓練に参加しました。
訓練に参加して動いてみないとわからないことも多く、非常に興味深いものでした。

訓練当日、私は想定火元である4階にいました。
訓練開始直後、同じ建物の職員さん2人が避難のお手伝いに来てくださいました。
エレベーターは使えない想定ですから、階段の利用になりました。

避難開始当初は私が乗ったままの車椅子(手動・約70kg)を男性2人で担ぎ、
半階層ほど降りたところで、初期消火を終えた職員さんに加勢していただきました。
それでも、人を乗せたままの車椅子を抱えて階段を降りることは非常に困難で、
3階に到着した時点で1人が私を背負い、別の1人が車椅子を降ろすことにしました。

最終的には4階→1階の移動で10分程度の時間がかかりました。
実際の火災発生時には、訓練の際より時間がかかるかもしれません。
高層建築がオフィスから商業施設、住宅にいたるまで広範に利用される現在、
避難時に支援を要する方々は利用者・消費者としてはもちろん、
従業員・職員としてお勤めのかたもいらっしゃるでしょう。
したがって「働く場所」での対策もこれからの重要な課題であると
言えるでしょう。

避難行動時に、支援してくださる方を含めてもう少し楽にならないかと
避難器具について調べてみると、
要救助者を背負って避難するためのおんぶ紐や、
歩行困難な方の階段昇降に用いる階段避難車、電力が無くても使えるリフト等
様々な避難支援器具が色々な会社から出ています。
高齢者や障害者等を含めて、誰もが使いやすい避難器具が
普及してほしいと思います。

訓練に参加して何より感じたことは、非常災害時の避難行動において、
障害のある方や高齢者など、避難行動に支援を要する方の安全を守ることは
もちろん、支援をする方々の安全を如何に守るか、がとても大事であると
思います。緊急時に慣れないことを行うのは困難かつ危険をともないます。
支援を要する方も含めて繰り返し参加することで、
各々自分の命を守るのみならず、周りの命を守ることにつながります。

防火・防災訓練への参加は、緊急時の避難に支援を要する方々の参加も
非常に重要だと思います。私も含め、参加慣れしていない方も多そうですから
どのように参加できるか、現在の想定では緊急時にどのような動きが
考えられているのか、情報がほしいところです。
あるいは防火責任者、ビル管理者の皆さんにおかれては、
高齢者や障害のある方等の避難についてもしっかりと想定に含めて頂きたいと
思います。
最後に今回ご協力いただいた皆様、大変ありがとうございました。



特急「やくも」にバリアフリーの新型車両デビュー 24年4月運転開始

2024年02月28日 15:23   呉バリアフリーツアーセンター
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岡山ー出雲市間を走る、伯備線特急「やくも」に
24年4月から新型車両がデビューします。
https://www.jr-odekake.net/railroad/yakumo/

特急「やくも」は山陰観光のアクセスや山陰と山陽を結ぶ陰陽連絡をはじめ、
岡山で四国・関西方面へ連絡するなど多彩な顔を持つ列車です。

新しくデビューする車両は273系。
沿線風景に色を添えるブロンズ色のエクステリア。
カーブでも速度が落ちない新開発の「振り子」機構。
グループ向け「コンパートメント」座席の導入など、
注目ポイント満載な列車ですが、
何といっても外せないのはバリアフリーでしょう。
まず、現行車両の課題であった通路と座席の間の段差が解消されます。
さらに、特急車両のバリアフリー化新基準に対応して
車椅子に乗ったまま利用可能なスペースが普通車客室内に3箇所設けられ、
このほか多目的室があります。全座席にコンセントが装備されています。

車椅子スペースは景色を楽しめる窓側、座席隣接の通路側が選べるように
なります。なんだそんなことか、と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、
これまでは、車椅子スペースの数と場所が限られていたため、
座席を「選ぶ」ことができなかったんですね。
ですから「選べるようになる」というのは実に画期的なことなんです。

なお、併せて春のダイヤ改正(2024.3.16〜)では4月の新型車両投入を前に
「やくも」の全席指定化が発表されています。
このダイヤ改正では、東海道・山陽新幹線へのN700S(車椅子スペース6席)も
追加投入が予定されており、より一層利用しやすくなりそうです。

新しくなる「やくも」で是非山陰へおでかけください。



石崎汽船、広島ー呉ー松山航路に高速船を新造

2024年02月15日 12:01   呉バリアフリーツアーセンター
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広島ー呉ー松山航路を運航する石崎汽船(本社:松山市)は、2/1、
同航路向け高速船の新造と2025年秋の運航開始予定を発表しました。
新たに建造される船は、現在運航中の高速船「スーパージェット」の
後継船となる予定で、推進器には国内初導入の技術「リニアジェット」が
用いられ、騒音・振動が少なく、省燃費で環境にやさしい船を
目指しているそうです。

石崎汽船プレスリリース:
http://www.ishizakikisen.co.jp/pdf/2024/20240201.pdf

石崎汽船が フェリーに引き続き高速船の新造を発表しました。
楽しみなニュースですね。新造船は排水量120トン、定員93名と
現行船(189トン、定員156名)より若干小ぶりのようです。

バリアフリー法の制定以後は、船舶にもバリアフリー化ガイドラインが
定められ、公共交通機関である定期航路の旅客船だけでなく、
観光船、遊覧船などの不定期航路を運航する船も対象になっています。
船舶は運用期間が長いこともあり、バリアフリー法以前に建造され
改装によってバリアフリー設備を持つようになった船も多数運航されていますが、
いよいよ設計段階からバリアフリー化を考慮されている船が
海路の主力を占める時代がやってきます。

船内設備など、詳しい情報は明らかにされていませんが
新造船もガイドラインに沿ったバリアフリー船となるでしょう。

ちなみに、現行のスーパージェットだってとっても快適です。
呉ー松山が約1時間、松山ー呉ー広島間が約1時間20分。
フェリーの半分の時間で移動できます。
多目的トイレ、車いす優先席完備。船体が大柄なので、
出入口や通路も広くシートも座り心地がよいです。

前回の記事でも述べましたが、この航路を大事にしましょう。
列車やバスはもちろん、船を含めて「どれか」ではなく「どれも」大事です。
2018年の大雨災害のとき、呉市では一時道路や鉄道が不通となりました。
通勤通学客の足を支え、生活物資を載せたトラックを運んできたのは船でした。
航路があれば、陸路と互いに補い合ってまちの暮らしを支えることができます。
航路がある、港がある。それはウォーターフロントに面した街の何よりの強みです。

あるいは、鉄道やバス、自動車や船といった様々な交通手段で
私達が他の地域に出かけられることのみならず、
他の地域から、この広島・呉地域にいらしていただくことができる、
それが、このまちの原動力になるのです。
新しい船が呉と他の地域の交流をどんどん盛んにしてくれるとよいな、と思います。