一言コメント:
呉バリアフリーツアーセンターは、広島県呉市の「NPO法人呉サポートセンターくれシェンド」のスタッフが自主運営しているツアーセンターです。呉市内の観光バリアフリー情報の発信や、相談業務などを行っています。
法人事務の傍らで運営している小さなツアーセンターですが、たくさんの方に呉に来ていただくことができるように頑張っていきたいです。
おはようございます。瀬戸口です。寒くなってきましたね。
さて、今日は車椅子の介助ーその2回目です。前回は主に車椅子の発進と停止、
操作に伴う体重移動のお話でした。 今日は段差の越え方を取り上げます。
車椅子で生活していると、いろんなところで段差にぶつかります。
建物の入口、電車とホームの間、橋の継ぎ目、公園のでこぼこした地面…etc
車椅子で段差を越えるというと、キャスター(前輪)上げを
想像する方も多いでしょう。キャスター上げの操作ができると、少々の段差や
未舗装路など、主に屋外での行動範囲が広がります。
基本は、車椅子を傾けて、段差を越える、車椅子を水平に戻す、ということです。
介助する人が車椅子の後ろに立ち、グリップを握る。
駆動輪の間にある「ティッピング・バー」を踏み込みながら
グリップを押し下げる。(重心を後ろに傾ける操作です)
(バーがない車椅子もありますが重心を傾けるという点は一緒です)
車椅子前方が持ち上がるので、前輪を段差の上にかける。
後輪を段差にくっつけて体重をかけ、前に押し出すと
後輪が段差を乗り越えていきます。
(図1)
段差を降りるときは、まずゆっくりバックで降り、
後輪を段差の下へ着地させます。
グリップを下げ、車椅子の前方を持ち上げます。
前輪が段差を離れたら、ゆっくりと車椅子を水平に戻します。
時々、前輪をストンと地面に落とす人がいますが、着地の衝撃が大きく、
落車の危険もあるのでやめましょう。
車椅子に乗る方の中には、転落時に手で防げない人が多くいます。
ですから、車椅子の介助では転落、転倒させない操作が大事です。
車椅子にも、車椅子に乗る人もいろんなタイプがあります。
場面によって、必要な介助・できること・できないことが変わってきます。
まずは、車椅子に乗っている方に声をかけてみましょう。
車椅子の介助というと「力が必要そう」というイメージを抱くひとも
いらっしゃるようですが、コツを掴めば力を入れなくても介助できる
場面は多々あります。
あるいは、「私に介助できるか不安」、「ケガさせたら、ケガしたら」と
思う方がたくさんいらっしゃるとすれば、それは、まだまだ社会が
車椅子で過ごすには困難な証拠です。
できる限り、特別な訓練を積まないとできない介助や
危険を伴う介助をしなくても過ごせる世の中に
していけたらいいな、と思います。