一言コメント:
呉バリアフリーツアーセンターは、広島県呉市の「NPO法人呉サポートセンターくれシェンド」のスタッフが自主運営しているツアーセンターです。呉市内の観光バリアフリー情報の発信や、相談業務などを行っています。
法人事務の傍らで運営している小さなツアーセンターですが、たくさんの方に呉に来ていただくことができるように頑張っていきたいです。
街路樹の銀杏並木に秋の深まりを感じます。瀬戸口です。
さて、「中間とりまとめから考える無人駅」の2回目です。
「無人駅」問題は、駅のスムーズな利用を妨げる「バリア」があるにも関わらず、
「無人」であるためサポートを得ることも困難で、利用を著しく制約される事が
問題となっているのです。
そこで「中間とりまとめ」の方向性として
●障害当事者への案内・情報提供のあり方
●駅の利用に関する事前連絡のあり方
●乗務員による乗降介助の実施
をポイントにして、障害の有無に関わらず無人駅でも、安心して利用できる環境を
整えようという事が書かれています。
誰でも安心して利用できる駅にしようという方向性はよいと思います。
一方で課題もあるように見えます。
ひとつはポイント三点目の乗務員による乗降介助に代表されるような
人的サポートの問題です。
意見交換会では主に事業者から、乗務員は介助要員ではなく運転・保安要員で
介助を行う事による列車の遅れや安全の確保に懸念が示されていました。
障害当事者からは、すでに乗務員による介助を行なっている事例もあり
無人駅での有効な手段の一つであるとの意見が出されました。
これらの意見は、両者ともごもっともなのですが、
根本的に「人的介助を残すのか?」という課題には応えられていないところが
気になります。
前回も述べましたが、「人の力で」サポートするからこそ、手配に時間が
かかったり、事前連絡が必要になったりするわけです。
人的なサポートをこれからも必要とするのであれば
それゆえに生じる時間や手間を許容するのか?しないのか?
その上で、人を動かすとなれば人件費がかかります。
であれば、人的介助を要さないバリアフリー化にはいくらかかるのか?
人的介助のための人件費はいくらかかるのか?
負担可能か否か?誰がどのように負担するか?
そうした議論は欠かす事ができません。
その3に続きます。