イソップ物語【アリとキリギリス】の疑問
2023年03月30日 15:44
松江/山陰バリアフリーツアーセンター
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ハダル@矢野です。
今年はどうしたんでしょうか?
桜のソメイヨシノの開花が歴史上、もっとも早いとか・・・。
平年より10日以上も早いとか。
古代ギリシャ時代から語り継がれ、真面目に働くことの大切さを伝えるこの有名な【イソップ物語・アリとキリギリス】
には、さまざまな新解釈や疑問が存在します。
そもそもイソップの教えたかったことはアリは肉食動物で、キリギリスは草食で生きるので草が枯れたらキリギリスは
アリの食べ物になる関係を教えたかった話です。
捕食関係にある自分の身の安全を考えて自分の生き方を考えないと、
自分の身も国も亡ぶ運命にある事を当時のギリシャの危機感を人々に警告した寓話です。
蟻はもっと太らかして後で自分たちの食物にするという本能もあるという事を人間の恐怖のたとえで
言いたかったこともあったそうですよ。
その疑問の一つは「アリはいつ遊ぶのか?」というものです。
いくつかある【イソップ物語・アリとキリギリス】の一つの結末に、キリギリスがアリにこう言うものがあります。
「もう歌うべき歌はすべて歌った。君は僕の亡骸を食べて生き延びればいよ。」
多少の負け惜しみ感はあるものの、音楽を愛するものとして潔い言葉だと思いませんか?
冬の備えをせずに死んでしまうキリギリスは、一見不幸なようでそうではなく、陽気に歌って夏を過ごすことこそが、
キリギリスにとっての幸せであり、人生で一番大切なことだったという考え方です。
それに対してアリはどうだったのでしょうか?
確かに夏のたくわえによって、冬の間は食べ物に困らなかったアリですが、また春になれば冬のために
働き始めるわけです。
アリはいつ遊ぶのでしょうか?
アリはそれで幸せなのでしょうか?
それは、現在の日本の社会にも通ずる問題のような気がします。
コツコツ勉強をして、良い大学を出ればエリートになれる、と言われていた時代は終わりつつあります。
世の中には、さまざまな価値観や働き方があり、貯蓄の多さが幸せの尺度にならないことはもちろん、
自分の好きなことを極めて大きな成功をおさめる人もたくさんいます。
努力をすることは尊く、立派ですが、それだけでは幸せとは言えません。
自分のやりたいことをとことんやることも、また尊く、立派なのです。
古代ギリシャのイソップが考えた【イソップ物語・アリとキリギリス】は長い時を超えて、人生や幸せについて、
私たちに疑問を投げかけてきます。
童話ですので、素直に子供が受ける基本的な事と人生を過ごしてきた人とは、受ける解釈も違ってきます。
当然の事ですね。
コツコツと貯金をして、蓄えたお金を使わないで健康長寿を過ごしたとしてもそれが幸福なんでしょうか?
それぞれで幸福感は違うのでしょうが、まあ自分の価値観で人生を送るのが最もいいのでしょうね。