「秋茄子は嫁に食わすな」の意味はこれ!?
ハダル@矢野です。
秋茄子のおいしい季節となりました。私は、普通の浅漬け、辛漬けを今夏は好んでたべました。これからは、焼きナスでしょうか?
秋茄子といえば、「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざがありますが、これにはどういう意味があるのでしょう?
じつは、「秋茄子は嫁に食わすな」には、嫁いびりのような悪い意味と、嫁の体を心配する良い意味があります。
茄子は収穫時期が長く、6月ごろから収穫されるものは夏茄子、9月ごろから収穫されるものは秋茄子と呼ばれています。
夏茄子は暑い時期に強い日光をあびて成長するため、皮が厚めで実が詰まっています。
秋茄子は剪定や追肥などをして株を若返えらせ比較的穏やかな日光の中で育つため、皮が柔らかく水分を多く含んでおり、甘みや旨みが強くなります。
「秋茄子は嫁に食わすな」の悪い意味は、おいしい秋茄子を嫁に食べさせるのはもったいない、という意地悪です。これが一般的な意味ですね。
嫁と姑の確執は今でもドラマの主要テーマとして健在ですが、昔は壮絶な嫁いびりも少なくありませんでした。秋茄子同様に、「秋カマスは嫁に食わすな」、「秋鯖(あきさば)は嫁に食わすな」、「五月蕨(ごがつわらび)は嫁に食わすな」など、地方によってさまざまな言い方があります。
いずれも、最もおいしいものは嫁に食べさせたくないという意地悪な気持ちが込められています。
「秋茄子は嫁に食わすな」の良い意味 ~お嫁さんを気づかって
茄子は利尿効果とともに体にこもった熱をとる働きがあるため、体を冷やすと言われています。暑い時期に夏茄子を食べるのは理にかなっていますが、秋においしいからといって秋茄子を食べ過ぎると、体が冷えてバランスが悪くなってしまうかもしれません。
そこで、秋茄子を食べて大事な嫁の体が冷えてしまってはいけないと気遣いました。
また、秋茄子は種が少ないため子宝に恵まれないことを連想させる食べ物とされたため、子宝を願う嫁を気遣い、嫁には食べさせないほうがいいと考えたのです。
また、嫁ではなくネズミに食わすなという意味だとする説もあります。
鎌倉時代後期の『夫木和歌抄(ふぼくわかしょう)』に、次のような和歌があります。
『秋なすび わささの粕につきまぜて よめにはくれじ 棚におくとも』
ここに出てくる「よめ」は「夜目」と書くネズミの隠語で、「酒粕に漬けた秋茄子を棚に置いておくのはよいけれど、ネズミに食べられないようにしなさいよ」という意味です。
この和歌が「秋茄子はよめに食わすな」の語源である、だから嫁ではなくネズミに食べられないように注意しろという意味だという説があります。
私は、この意味がそもそもですので、嫁イビリは、後付けではないかと思います。