出雲市斐川町にある仏経山(ぶっきょうざん)登山に挑戦してきました!
ハウル@矢野です。
今回は、出雲市斐川町にある仏経山登山の話題です。
この山は、出雲風土記に記されていた神名火山(かんなびさん)と呼ばれていましたが、今は仏経山(ぶっきょうざん)と呼んでいます。神の山から仏の山に呼び方が変わった全国的にも珍しい山です。標高は366mです。高さ的にはそんなでもありませんので、楽に登頂出来るのではないかと挑戦してみました。
仏経山登山者用駐車場に車を止めて、いざ出発です。山陰道がすぐ近くにあって、走行する車のエンジン音が絶え間なく聞こえます。仏経山トンネルもすぐそこにありました。
最後の民家までは約100mまで、アスファルト舗装の道路があって、その先は行き止まりになっています。そこのすぐ手前に登山入口の看板がありました。
リードをつけた犬と放し飼いの犬2匹が私たちを出迎えてくれました。
登山道に足を踏み入れるとそこは、路幅が50cmもないくらいで、竹の葉や木の葉が足元には沢山積もっています。それに昨日の暴風で竹が倒れて路を塞いでいました。竹林浴ゾーンを過ぎると路には、ますます石ころや木の根っこがあったり勾配は急だったりして簡単には登れません。思ったより辛い登山になりそうです。
耳をすましてみるとちょろちょろと水が流れる音がしています。山水(やまみず)なのか池でもあるのかは竹や樹木で判別出来ませんでした。あとで、調べてみると美しい池があったようです。
三方を樹木に囲まれた森林トンネルをひたすら進みます。上を見上げると木の葉の間から少し木漏れ日がしています。足元の悪さに10分も歩くとすでに汗が滲んできてハーハーともうきつくなってきました。時々ある20~40cmの芽っ子の段差が余計に路を険しくしています。険しい路ですが、時折、広い路幅と平らなところがありました。5分くらいずつ休憩をしながら登ります。山腹には、展望出来るような開けたところまで登ってきました。斐川平野が一望出来ます。出雲空港はもう少し東の方向なのか視界には入りません。
今回はちゃんとトレッキング シューズを履いてきましたのでまだ、ましですが、とてもスニーカーでは無理そうです。
登山路入口からすでに40分近く時間は過ぎています。ここで、パーカーは脱ぎ捨ててリュックに押し込みました。お茶を飲んで出発です。
よく踏まれた登山道をしばらく進むと、巡視路は直進方向に続いていますが、登山道は右へ分岐します。分岐点には指導標が立っていますので迷う事はありません。山腹につけられた道が続きますが、このあたりからは、より一層急に滑りやすくなりますので、一歩一歩ずつゆっくりと登って行きます。
見晴らしはないものの、明るい木漏れ日の射す登山道を快適にしばらく進むと、坂の傾斜がきつくなり、ロープの渡された坂道を登ります。このロープは約10mくらいありますが、下半分は直径3cmくらいですが上半分は工事現場のトラロープみたいでか弱いものでした。一層きつくなった路を登ると空が開けて頂上広場に到着しました。
登って来た路を下山するのかと思うと気が滅入りそうです。
やっと到着です所要時間は約1時間30分もかかりました。。
まず目につくのは、広く平坦な展望広場の中央には南無妙法蓮華経と彫られた石塔が立っています。北の展望を眺めると斐川平野が広がっています。
きょうは、霞み気味の展望ですが、眼下に広がる景色は美しいですが、頂上周辺に立木があり視界が不十分な感じです。展望広場入口には、案内看板があり、仏経山のいわれが説明してあります。
案内にはこう書かれています。
出雲平野から南を見ると、ひときわ高くそびえ立つ山を古くから神名火山といっていました。出雲風土記(733年)に「神名火山という」とあります。神名火の名火は、かくれこもるという意味がありますので、キサヒの神がおしずまりになっている山といわれています。これを今は、仏経山と読んでいます。
戦国時代中国地方に勢力をもっていた武将尼子経久は、この山に十二の寺を建て、薬師十二体を安置し、山の名も仏経山と改めて、尼子家の安泰を祈ったといわれます。神の山が仏の山に変わるという全国的に珍しい山です。
また東の峰には、天保年間に建てられたと言われる石塔があり、新川を開通した時、無縁仏の霊を祀ったものと言われています。
「斐川町史より」
頂上広場を左の方向に100m進むとNTTの中継アンテナがありました。本当の頂上はこの辺りかもしれません。昔も今も一望にみわたして斐川平野を見守っている神様の山なのでしょう。
1時間程昼食をとって下山しました。帰りの時間は約1時間かかりました。
登山道入り口から3時間40分の行程でした。GW中でしたが登山道ですれ違ったのは家族連れ人組だけでした。山では、すれ違うと必ず「こんにちは。」と挨拶をします。なのに下界ではあんまりご近所さん以外はしません。いつもながら不思議な思いで仏経山駐車場を後にしました。
今日は、とても気持ちの良い汗をかきました。