松江の灯籠(とうろう)流し
ハウル@矢野です。今年のお盆は、例年になく蝉の鳴き声も静かな、少し涼しいお盆となりました。
お墓参りも雨のやみ間にすることとなり、大雨洪水警報が発令されたりとご先祖様もかえりにくかったことでしょう。
今日は、松江のお盆の行事について紹介します。
松江のお盆は8月13日~16日です。まず、お盆用の花は、恒例の松江市天神町、白潟天満宮近くの天神ロータリー広場で
11・12日にお盆用の花や夏野菜(きゅうり、なす、スイカなど)を販売するお盆花市から始まります。
近頃では、露天の数も約10軒と少なくなりました。
ところで、近頃では、迎え火や送り火のお盆らしい風習が省略しつつありますね。私の子供のころには迎え火はご先祖様がその灯りで家にあちらの世界から戻って来られる。と聞いたものです。
なぜ川端でご先祖様の送迎するのかは、知る人ぞ知るところです(よくわかりません)。
野火などとんでもない時代になりました。
また、お供え物では、迎えだんごやきゅうりとなすになにかの茎?を足に見立てて馬(きゅうり)と牛(なす)を作りました。ご先祖様がおいでになる時は、馬で速くきていただき、お帰りの時は牛車でゆっくり歩いてお帰りいただくということだそうですね。
私の家では、縁側の外に棚いたを吊るしたお供え物台を作ったものです。
お盆といえば仏教の行事だとみなさんは思っていますよね。ところが、必ずしもそうでもないようですよ。江戸時代に幕府はお寺の檀家制度で人口などの把握をしました。人々は神道の人もどこかの檀家になったんですよ。それで、ほぼ統一したお盆となったそうです。
それと、お坊さんが法衣をまといスクーターで走り回っているのもよく見かける風景です。これって師走?
松江のお盆のクライマックスは、8月16日の午後7時松江市を流れる大橋川で灯篭流しが行われました。
例年なら絶景の宍道湖の西に沈む夕日がまだ目に焼き付いているころから始まります。今年はきれいな夕日は拝めませんでした。
大橋川は、宍道湖から中海をつなぐ松江市を東西に流れる川です。川幅は、約50mです。
水の都松江の中心です。その昔、松江大橋を下駄をカランコロンと鳴らしながら歩いていたヘルンさんも渡った松江大橋のたもと 東岸で灯篭流しは行われます。
送り盆行事として昭和30年代から行われているようですので、ヘルンさんはご覧になっていないようです。ゆっくりと大橋川を漂う姿はとても幻想的ですよ。
松江市民の合同の灯篭流しで、焼く2000の灯篭が川に浮かんでゆっくりと流れていく風景は、一見の価値がありますよ。船は約90cmです。ご先祖様が牛ではなく船でお帰りされます。
また、大橋川に響くお坊さんの読経が、いやがおうでも気持ちを和やかにしてくれます。見物の人も思わず手を合わせたくなります。
これで松江のお盆は、静かに終わります。