一言コメント:
呉バリアフリーツアーセンターは、広島県呉市の「NPO法人呉サポートセンターくれシェンド」のスタッフが自主運営しているツアーセンターです。呉市内の観光バリアフリー情報の発信や、相談業務などを行っています。
法人事務の傍らで運営している小さなツアーセンターですが、たくさんの方に呉に来ていただくことができるように頑張っていきたいです。
10連休が明け、令和の時代が始まりましたね。瀬戸口です。
今日のテーマは「誰もが楽しめる旅にするにはーその3です。
実は、今日の話が一番の核心です。そもそも、この記事を書くことになったきっかけですが、
相談センターにとある相談が寄せられました(プライバシー保護のために加工しています)
今度、活動する団体で親睦旅行に行くことになりました。
バスで〇〇市の〇〇自然公園に行くことになりました。
私の団体には△△障害の人が多く、◯×障害の人は少ないです。
〇〇自然公園は◯×障害の人は楽しめるのでしょうか?
この手の相談、割とよくあります。センターとしては
●自然公園なので、バリアはたくさんあります。
●展望台に屋根はありません
●広い空き地はありますが、公園内に売店・食堂はありません
バリアについては上のような回答が可能です。
しかしそもそも、障害のある方々を対象とする旅行で、対象となる方々が
楽しめないような計画の立て方は問題があります。
このシリーズの初回に述べたような、歩ける人が中心の団体で、
車椅子の人が少しいるような団体の場合で考えてみます。
1.車椅子の人は参加しない
2.行程は歩ける人に合わせて、手助けがいるときは頑張る。ダメなら車椅子の人は待機
3.行程は車椅子の人に合わせて、バリアフリー設備が無い所へは行かない
4.色んな人が参加することを念頭に行き先を考える。必要に応じて、車椅子の人には代わりのコースを設定する。
1〜3は、関係する誰かが必ず寂しい思いをします。歩ける人と車椅子の人がいるなら、
人数の多少に関わらず、両方が楽しめるように考えることが必要です。
ちなみに代わりのコースを設定する、というのは別の場所に行くということでは
必ずしもありません。同じ場所で体験可能な別のプログラムでもよいのです。
山登りの代わりに麓の町での民芸体験や、
最近はやりの屋内アスレチックに代えて、音楽や演劇系アトラクションでもよいわけです。
これがいわゆる「オプショナル・ツアー」ですね。
「オプショナル・ツアー」は皆さんご存知のように、団体旅行の中で、
追加料金を払って別コースに行くこともできます。ハンデの有無に関わりなく
旅の満足度を上げる代表的な手法の一つです。
長くなりましたので、次回につづきます