JR各社、優等列車で指定席化の流れ
こんにちは、瀬戸口です。今日の話題は、JR各社での指定席化の流れについてです。
春のダイヤ改正を前に、優等列車における自由席減少が各社から発表されています。
JR東日本管内では、
●22年春から山形新幹線が全車指定席化
●特急しおさい・わかしお・さざなみ、指定席拡大
JR西日本管内では
●サンダーバード・しらさぎ 指定席拡大
●くろしお・こうのとり・きのさき等の列車を全車指定席化
東日本管内のあずさ・かいじ・ときわ・ひたち等主要列車では
すでに自由席を廃止したり、「座席未指定券」を利用して、指定席の空席に
着席ができる列車があります。
※「未指定券」で空席を利用中に、その座席の指定券をもった乗客が来た際は
席を譲ります。
一般的には着席の保証と定員乗車(立ち席の廃止)による混雑緩和を目指した
サービスと理解されているようですが、 バリアフリーの観点からも
利用がしやすくなるように思います。
バリアフリー化のためにはネット予約での事前座席指定を可能とし、
乗降介助申込に対応する等、指定券の発売方法の見直しは必要になるでしょうが
それでなくとも基本的には全ての乗客が乗車前に「指定券」を購入しますから、
鉄道のバリアフリーでつとに問題となる
「事前連絡」に伴う、他の乗客と異なる取扱いという
部分をある程度クリアできるように思います。
また事業者側も、列車の出発前に車椅子対応スペースを含めた
指定席の発売状況が分かれば、介助の手配もやりやすくなるでしょう。
一部の乗客を対象とした「事前連絡」ではなく、
運賃に応じた早期予約への誘導とすれば、レベニューマネジメントの点からも
利点があるのではないでしょうか?
あるいは、予約と利用の間に時間が確保できるとすれば、
列車の座席を着脱や折畳みとすることで、
乗車定員や輸送力を犠牲にすることなく、バリアフリーに対応することが
できるかもしれません。
※乗車定員や輸送力、輸送密度はすなわち、収益性につながります。
営利事業であれ、公費の投入であれ、費用が掛かりますから、
バリアフリー化がいかに重要であれ、重要であればこそ収益性を
おざなりにすることはできません。
折しも、国交省では新幹線に引き続き特急車両のバリアフリー化に向けた
議論が進んでいるところです。
指定席化の流れは、利用の在り方や、事業者のオペレーションを大きく変える
インパクトがあるだけに、今後の動向が注目されます。