日本で最長の路線バスッて何㎞かご存じですか?
ハウル@矢野です。半月ほど前の寒波はなんだったのでしょうか?昨日は、22度にもなった松江市です。寒暖差が大きく衣服の選択も大変な季節ですね。
今回は、日本で最長の路線バスの話題です。
それは、全長167キロ、停留所数は166の路線で、奈良交通の「八木新宮特急」で、高速道路を走らない日本一長い路線バスです。近鉄大和八木駅(奈良県橿原市)とJR紀勢線の新宮駅(和歌山県新宮市)を結ぶこの路線。所要時間「大和八木まで約6時間40分」うち10分~20分の休憩時間3回を含みますが、運転手さんは交代しないで一人で運転します。
バスは、1日3往復します。新宮駅発は午前5時53分、7時46分、9時59分の3便になります。
バスは、あっという間に市街地を抜け、雄大な紀伊山地へと分け入ります。熊野川沿いの国道168号を順調に北上して行きます。およそ1時間で、川湯、湯の峰の温泉街へ着きます。普通の車でも運転が難しい曲がりくねった道を、ベテラン運転手が、いともたやすく進んで行きます。 バスはずんずん山道を進み、高度を上げていきます。車良いが気になる方は、酔い止めは必需品ですね。奈良~和歌山の県境を越えて走って行きます。東京23区よりも広い日本最大の村、奈良県十津川村です。
改良された国道のバイパスを通らずに集落がある険しい旧道を右に左に。バス旅ならではの景色が続きます。
出発から2時間10分。やがて、十津川温泉へと入って行きますが、まだ行程の半分にもなりません。
1時間後、「上野地」で2回目の休憩です。ようやく半分を超えました。ここでぼーっと逡巡する暇はありません。日本有数の長さを誇る歩行者用つり橋「谷瀬のつり橋」の最寄りのバス停です。約20分の休憩時間に急げば往復できるらしいのです。
清流にかかるつり橋は長さ297メートル、高さ54メートル。想像以上のスケールで脚がすくみますが、早くしないとバスがてしまいまする。
再々出発したバスは、十津川を横目に北上を続けます。車窓を凝視していた目にも疲れが見えてきます。睡魔に負けそうになりますが、ほっぺをつねって気合を入れ直す。
やがて紀伊半島の分水界(熊野川水系と紀の川水系)でかつての難所だった天辻峠をトンネルで抜け、五條市へと向かいます。
バスは標高640メートルから一気に山を下ります。五条駅に到着です。
近くの五條バスセンターで3回目の休憩を取り、バスは最後の力走に備えます。 ラストスパートは、商業地や住宅地などを走ります。交通量が多く、乗客の入れ替わりも激しくなります。
やがて、車内に最後のアナウンスが響きます。「次は終点、大和八木駅」。
料金表示を見ると、整理券「1」は5250円(ちなみに最後は「109」で190円)です。
【16:37 167キロ 大和八木】
車内でも運賃を支払うことはできますが、通常の運賃(大和八木駅から新宮駅まで6,190円)よりお得になる「168バスハイク乗車券」(国道168号線を走るからこの名前がついているようです)がおすすめです。料金は5,250円です。しかもこの乗車券は2日間有効で途中下車可能。よって1日目は温泉地で宿泊し、2日目本宮大社に参拝するなど、楽しみ方に幅が出るのです。ただ、注意点もあります。このチケットは奈良交通社の窓口だけで販売しており、バス車内では購入できません。そして、逆方向に戻ることもできません。
以上は、実際に乗車した方の感想です。私の住む島根県にあるJR三江線は今月を最後に廃線となります。バスによる代替輸送となる予定で現在急ピッチで停留所の整備が行われています。このバスに乗車するときっと上記のような路線になるのでしょうね。路線バスは、また、列車と違い、空間も狭く人々の方言も変わって来るところなどそうゆったりとした座席ではありませんが、スピードも比較的にゆっくりですね。