茶の産地でもない松江は一世帯当たりの購入金額が日本3位?!
ハウル@矢野です。
ここのところ天候も落ち着いて、だんだん春の足音が近づいている松江市です。
今日は、お茶の産地でもないのに松江は一世帯当たりのお茶の購入金額が日本3位になぜなったのかという話題です。
そもそもなぜ松江はお茶どころになったのでしょうか?
松江の人はよくお茶を飲みます。ご近所さんの井戸端会議は元より、このことは、家庭内だけでなく会社においても、10時と3時に揃ってお茶を飲む休憩(出雲弁ではたばこといいます)時間があるところがでもあります。
なぜ、松江の人々はこんなにお茶に親しんでいるのかというとやっぱり松江藩七代藩主でありました松平不昧(まつだいらふまい)を抜きにしては語れません。
不昧公(本名:治郷は、こよなく茶の湯を愛し、後に不昧流と呼ばれる、流派や形式にこだわらない独自の茶道を築きました。そしてここから、茶道具や和菓子、書道、庭木といった茶道のまわりに広がる文化も育てていったのです。
現在でも、松江の人々が普段の暮らしの中で、さりげなく茶の湯を楽しむ文化が根付いているのは、不昧公のお蔭、と言っても過言ではないでしょう。
お茶の産地でもない松江なのにどうしてでしょうか。これほどにお茶を楽しむ風習がありながら、松江は静岡や宇治のようなお茶の産地ではありません。もちろん、この地近隣で生産されているものもありますが、それは消費量を満たすものではありません。
ここからが本題になります。
そこで、松江では茶商による合組の技術が発達しました。
合組とはお茶をブレンドすることを指し、そのブレンダーを茶商と言います。この地に住まう人々の需要に応えられるお茶の量を、全国の産地から仕入れ、この地に住まう人々の舌に応える味わいを支えて来たのは、茶商の技術なのです。
このブレンドの技術は宇治のお茶商人から伝えられたという事です。
松江での美味しさの基準の一つは "甘み" なのです。
松江のお茶は他地域に較べ、甘みがあるのが特徴です。
お茶の生産量は全国の0.27%に過ぎないのに松江市は緑茶の年間購入金額が日本3位である事の秘密はここにあります。
また、お茶といえば和菓子が付き物です。当然のように松江市は1世帯あたりの和生菓子年間購入金額も全国2位です。
京都、金沢と並び、松江は日本三大和菓子処と言われるほどです。
お茶を出されたら、おおかわりをするのが作法(?)と言われています。どうしてかというと、茶を一杯だけ飲む「一杯茶」は、仏様へのお供えと同じで縁起が悪いとされ、必ず2杯目も飲むのが習慣とされています。この事はお酒やご飯にも適用されます。
松江にお越しの際にはご注意を!!おかわりをしても失礼な事はありません。