美保神社はえびす様の総本宮
ハウル@矢野です。今冬最強の冬将軍が日本列島を荒れ模様にしています。
12月に今年のような大雪は珍しいそうです。被害に会われた方には、心よりお見舞い申し上げます。
今回は、「美保神社はえびす様の総本宮」の紹介をします。
美保神社は、島根半島の北東、松江市美保関(みほのせき)町にあります。民謡「関の五本松」でご存じの方もおられるのではないでしょうか。
また、日本最古の石造りの灯台も有名です。そんな海の関署と言われるところです。
事代主神系えびす社3千余社の総本社です(蛭子神系のえびす社の総本社は西宮神社)です。
特に水産・海運・商業に携わる人々から広く信仰されてきました。
えびす様は右手に釣り竿を持ち、左脇に鯛を抱える御姿で親しまれています。
魚釣りを好まれ、「漁業の祖神」として崇敬されてきたのは、事代主神が美保の地(沖ノ御前・地ノ御前と云われ美保神社の飛地境内)において日本の文献上、最初に魚釣りをされたことが所以です。
七福神の宝船にお乗りのえびす様は、こちらの神様です。
二つ目は、拍手(手打ち・手締め)の起源です。
『古事記』の「国譲り神話」に記述されています。
出雲国を譲るように言われた大国主神(おおくにぬしのかみ)は、御子神の事代主神にその返答を委ねます。事代主神は「畏(かしこ)し、この国は天つ神に奉り給え」と直ちに了承し、「天逆手(あめのむかえで)」を拍ったとあります。
これが、現在の手打ち・手締めの起源であり、拍手を打って約束を交わすという意味で、商談がまとまった際や建設現場での竣工式などで用いられる一本締めや三本締めもこれにあたります。
えびす様を「商売繁盛の神さま」と崇敬する所以のひとつでもあります。
三つ目は、歌舞音曲(音楽)の神様です。
多くの船舶が停泊する美保関港「関の明神さんは鳴り物好き、凪(なぎ)と荒れとの知らせある」と、船人の口から口へと広く伝えられました。
美保関は古くより海上交通の関所で北前船をはじめ諸国の船が往来し、風待ちの港として栄えた場所です。
船人の美保神社に対する信仰心は非常に篤く、海上安全や諸願成就などの祈願の為、さまざまな地域から夥しい数の楽器が奉納され、この内846点が国の重要有形民俗文化財に指定されています。
直径157cmの大鼕直径157cmの大鼕846点の奉納鳴物のなかには、日本最古のオルゴールやアコーディオン、島原の乱で戦陣に出されたと伝わる陣太鼓、初代荻江露友が所有していた三味線、鳥取城で登城の時を告げていた直径157cmにもなる大鼕など名器や珍品も数多く含まれております。
平成4年には明治の初頭以来途絶えていた「歌舞音曲奉納」を100年ぶりに復活させ、一流の演奏家が神前に向かって(聴衆に背を向けて)演奏し、聴衆は一切の拍手をしないという独特の音楽祭が行われています。
以上、今回は、少しお堅い話でした。
次回は、美保神社周辺のスポットの話題です。