とんど
おはようございます。今日も雪の舞い散る呉市からお届けします。
さて、今朝(2月8日)食卓で新聞を読んでいると、「とんど」の話題が取り上げられていました。
竹で組んだ櫓に年男、年女が火をともし、正月飾りや書初めを焼き、
一年の家内安全・無病息災・学問成就を祈るお祭りです。
そのとんど、瀬戸内地区では戦国武将 小早川隆景ゆかりの地で行われているとのこと。
なるほどと思いながら読んでいると、傍らの母が、「子どもの頃、実家の倉橋ではとんどをしなかった」といいます。
(倉橋島は呉市対岸に浮かぶ島で、この島と本土の間が「音戸の瀬戸」)
訳を尋ねてみると、
倉橋にはかつて「倉橋多賀谷氏」という水軍一族がいたのだけれど
瀬戸内海の覇権を巡る毛利氏と大内氏の争いのなかで
大内方についた倉橋多賀谷は、毛利方の小早川に攻められて
拠点だった倉橋島の丸子山城が落城。同時に村も焼かれたらしく
それゆえ小早川ゆかりの催しである「とんど」はやってこなかったのではないか、ということのようです。
燃え上がる焔は神に捧ぐ勝ち鬨か、それとも家を焼かれた村人へのなぐさめか。
ともあれ、天高く祈りの燃ゆる如月の空。