呉バリアフリーツアーセンター
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戦艦大和の主砲を削り出した大型旋盤、展示施設が大和ミュージアムに3/5オープンしました

2023年03月28日 10:38   呉バリアフリーツアーセンター
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おはようございます。瀬戸口です。この度、戦艦大和の建造に用いられた、
大型旋盤(金属を削って加工する機械)が呉に里帰りし、大和ミュージアムに
新たな展示施設がオープンしたということで行ってきました。

詳しいことは、大和ミュージアムのウェブサイト、そして現地で実物を
見て頂きたいと思います。

展示場所は、大和ミュージアムの西寄り、てつのくじら館(潜水艦が目印です)前の
横断歩道を南向きに渡った先にあります。大型旋盤は、ガラス張りの建屋内に
保存・展示され、屋外から見学するようになっています。建屋の外周には、
見学通路があり、端部はスロープになっています。

ドイツから輸入されたのが1938年、85年前の機械だそうですが、
スイッチを入れたら今でも動きそうな雰囲気です。

一緒に行った妻にも訊かれましたが、この旋盤の何がそんなにすごいのでしょうか?
まずは、今回展示されている機械が大和型戦艦の建造に用いられた
実機だということです。

大和型戦艦は全長約260mの船体の上に、
主砲の砲台が船の前方2基、後方1基ついており、
今回展示されている旋盤が製造に使われた45口径46cm砲が
砲台一つに3門ずつ、9門搭載されていました。
砲身の長さも一本あたり20m以上あり、撃ちだされた砲弾の射程は
最大で約42km、呉から発射すれば、瀬戸内海を越えて愛媛県松山市あたりまで
届き、ライバルとなった外国の戦艦より遠くに砲弾を飛ばすことができました。
それがどれほど大きかったのかは、大和ミュージアムの「大和波止場」に
戦艦大和の左舷前部が描かれています。展示施設見学と併せて散策すると
おもしろいでしょう。

そして戦後、この旋盤は兵庫県内の工場で船の部品を造る機械として
近年まで大切に使われてきたそうです。
機械の稼働が止められた後も大事に保管され、移送にあたっては
クラウドファンディングも行われ、いろんな人々の想いに支えられて
呉にやってきた、というのです。 

世界最大の戦艦を造ったということはもちろん、戦後にこの旋盤を大事に
使ってくださった方、この機械を激動の20世紀の証人として
後世に遺し伝えようと力を尽くした方が大勢いらっしゃる。
その結果として、この機械が良い状態のまま、多くの人々に
ご覧いただける環境のもと、大和を造った呉に存在する。
それがすごいことなのです。

呉にお越しの際は、ぜひ大型旋盤の展示施設もご覧ください。