国交省、新幹線の新たなバリアフリー対策について(中間とりまとめ)発表
こんにちは。瀬戸口です。今日の話題は
国土交通省、新幹線の新たなバリアフリー対策について(中間とりまとめ)発表
夏のオリパラをにらみ、新幹線のバリアフリー対策を見直すために
当事者団体を含めて検討してきたものを中間とりまとめとして発表しました。
http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo07_hh_000175.html
そのポイントは
○車椅子利用可能なスペースを一般客室内に設けることを目指す
ー大型車椅子での利用やグループ利用が可能であること
ー介助者や同伴者席を近くに配置すること
ー客室内通路に車椅子がはみ出さない広さを確保すること
○車椅子対応席のWeb予約を可能とすること
ー車椅子利用者の当日予約を可能とし、一般開放しない
○当事者参加の下、実車を用いた車内レイアウト等の検討を行う
私も検討会の議事概要や資料を読みました。車椅子利用者の1人として
バリアフリー化の進展は喜ばしく思います。
一方で、経営・営業的側面からの検討が少ないことは気にかかります。
海外の高速鉄道のバリアフリー面での優位性が言われますが、
1編成の定員は新幹線で1323名。独ICEで858名(どちらも16両)
フランスTGVは20両編成で定員750名
ダイヤの点でいっても、最速のぞみ号は停車時間約1分。
同一形式大量運用で極限まで運行効率を高めることで成り立っている
新幹線を他の高速鉄道と同列に論じることができるのか疑問を感じる部分が
あります。
さらに車椅子対応席を一般開放しない場合には、事業者としては
空席のまま抱えるリスクもあります。
鉄道事業は公共インフラではありますが、
運営主体が公営であれ民営であれ、慈善事業ではありません。
当事者・事業者双方がどのように考えているのか、
今後の検討会で明らかにしていただきたいところです
バリアフリー化推進と高頻度・大量輸送は両立するのか。
あるいは、場合によっては輸送力・密度の減少を受け入れるのか。
サービス提供価格にも影響があるでしょう。
これまでの運行体系のなかで、あまりバリアフリーが顧みられていない
というのはあるとしても、新幹線に関する検討会であれば、
バリアフリーそれ自体のみならず、広く交通体系や経営を踏まえた
上での議論をのぞみたいところです