セミナー開催!「おもてなし基礎講座 ~インバウンドとバリアフリー編~」
こんにちは
伊勢志摩バリアフリーツアーセンターです。
昨日、2/29(月)は、伊勢市からのお招きで、研修講師のお仕事をさせていただきました。
平成27年度 伊勢市・伊勢市観光協会協働事業
おもてなし基礎講座
~インバウンドとバリアフリー編~
場所:伊勢商工会議所4F 中ホール
時間: 【昼】午後2時~3時 【夜】午後7時~8時
■第1部 多機能トイレとおもてなし
講師:杉岡 加奈子 氏
(TOTO(株)名古屋支社 市場開発部 プレゼンテーショングループ)
■第2部 バリアフリーな接客のコツ
講師:中村 千枝
(NPO法人伊勢志摩バリアフリーツアーセンタースタッフ)
1部の講師を勤めるTOTOの杉岡さんは、
平成27年9月4日(金)に開催した、「三重県バリアフリー観光推進大会」にもお越しいただいており、
我々の活動についても良くご存知の方でした!
各持ち時間が20分程度と短い時間でしたが、
TOTOさんからは、最近のパブリックトイレ事情やおもてなしトイレづくりの3つのポイントを紹介!
そして、我々も興味津々の多機能トイレについて、レクチャーしてくださいました!
そして2部のバリアフリーツアーセンターでは、
4月から施行される
「障害者差別解消法」と
「伊勢市手話言語条例」
について、お話させていただきました。
障害者差別解消法については、
・盲導犬が飲食店に訪れたら?
・車いす使用者が和風旅館に泊まりたい場合は?
・認知症の夫がいる妻が、「夫と一緒に大浴場に入りたい!」と言ったら?
・言語障害のある方が、混雑している駅の窓口に訪れたら?
など、様々な事例を交えて紹介。
また、伊勢市手話言語条例については、
三重県聴覚障害者協会及び伊勢市聴覚障害者福祉協会の倉野直紀理事や、
伊勢市健康福祉部 高齢・障がい福祉課の担当者へのヒアリングを元に、
・手話について
・ろう者をとりまく現状
・この条例に期待すること
などを説明させていただきました。
ここで、当日ご披露したエピソードを1つ。。
ホテルや旅館の客室にあるテレビのリモコン。
文字放送に切り替える「字幕ボタン」の機能が使えなくなっていたり、
「字幕ボタンが」付いていないリモコンがあるそうです。
これは 誤作動を防止するためのものなのでしょうが、結果、必要な人が使えないということになっています。
そこで、それを必要とする人にだけ貸し出すリモコンが欲しいとのことでした。
その場合、聴覚障害者は外見だけでは分かりにくいので、
フロントに「字幕放送をご覧になりたい方は、フロントにお申し出ください」
の案内版があればとのことでした。
そして研修の最期に熱く語ったのが、
「バリアフリーのおもてなしこそが、強味になり、ビジネスチャンスになります!」
ということ。
TOTOさんのバリアフリートイレが正にそれですよね!
研究し、普及したことで、TOTOモデルがスタンダードになり、
多くの場で採用されています。
バリアフリーに特化したことが、商機につながっている最も分かりやすい事例です。
1部のTOTOさんの話の流れを受け、私もとても話しやすかったですし、
参加者のみなさんにの心にも届いたのではないかな?と思っています!
余談ですが、
TOTOさんの話しの中に、
公共の場に多目的トイレを作るなら、
①一般の便器の高さ(40cm)が良いのか?
②車いす対応便器の高さ(45cm)が良いのか? という質問がありました。
会場の多くの方が②と答えましたが、
伊勢志摩BFTCとしては、トイレの改修の時、①をオススメしており、
以前から、公共のトイレに車いす対応便器を取り付けることに異論を唱えていたのですが・・・
そして、答えは・・・・ ①、一般の便器の高さだったんですね!
我々、間違っていませんでした!
その理由は、伊勢志摩BFTC考えと全く一緒だったのですが、
「不特定多数の人が利用する多目的トイレにおいては、
身体の小さい高齢者なども多いことから、座面が高すぎないものを選ぶ」
ということでした。
背の小さなおばあさんなどが便座にすわった時に、
高すぎる便器だと足が床に届かず、かえって危険を生じるという理由です。
ただ、②は、便器の高さが車いすの座面の高さに合わせた設計なので、
車いすからの移乗ということに関して言えば、バリアフリー仕様です。
なので、自宅とか、障害者施設など、主に車いす使用者が使うことを想定していれば、
②を設置すべきだというご意見でした。
その他にも、TOTOさんの話で、我々が日ごろバリアフリー調査で培った知識や、
アドバイスの場で語っていたことがすべて正しかったことが証明され、
「うん、うん!」と力強くうなずく、私でした!!
めでたし、めでたし!